ここでは、いままでの騒動の中身を詳しく見ていきながら、その理由について徹底的に考察し、本質部分に迫っていきたい。 娯楽大作として異例 話題作にして問題作・映画『ジョーカー』には多くの謎があります。劇中の時計が全て「11時11分」を指しているのもそのひとつです。今回は「11:11」を旧約聖書の中のエレミヤ書に関係するという説から、エレミヤとジョーカーの繋がりをご紹介します。 MOJIの映画レビュー映画の感想ブログです。この記事は「ジョーカー」の細部について情報をまとめ、検証する内容です。従って結末に至るまでネタバレしています。映画を未見の方はご注意ください。この記事はHA HA プロダクションの楽屋。皆の話題は、昨日の「ピエロによるサラリーマン殺し」で持ちきりです。もしランドルが拳銃をアーサーに渡していて、ピエロが目撃されてる地下鉄殺人事件が起きたのなら、周りの人々はもっと明確に、アーサーが犯人だと思うでしょうね。アーサーが「拳銃の出どころはランドルに聞け」と言ってランドルが心外そうな顔をしますが、実際に寝耳に水だったのかもしれません。アーサーはクビにされ、荷物をまとめて出て行きます。出て行くときに彼が殴って壊すタイムカードの時計は、テレビで、トーマス・ウェインがピエロ殺人事件についてのコメントを述べます。地下鉄で殺された3人は、ウェイン社のエリート社員でした。トーマスは事件はトーマスのこの発言は、ピエロに共感する貧困層の人々の反発を招き、ピエロ・マスクによるデモを誘発することになります。 トーマス・ウェインを演じるのはアレック・ボールドウィンはコメディアンでもあり、テレビ司会者でもあり、 大富豪であり、そうなると、 そして、トーマスを父と信じようとし、彼に人生の救いを求めるアーサーは、アーサーはラジオで彼のステージ・ネームを聞いたことをカウンセラーに話します。彼はジャクソン・C・フランクは1960年代に活動したシンガーソングライターなのですが、なかなか小学生のとき小学校が火事になり、彼は火傷を負いました。そのときに15人もの同級生を亡くしたことがトラウマとなり、生涯を通じてジャクソンは1965年、ポール・サイモンのプロデュースでレコード・デビューしますが、その直後にジャクソン・C・フランクは統合失調症だったわけですが、 アーサーはソーシャルワーカーに「僕の話は聞いてないよね？」とアーサーは言います。「僕はずっと自分が存在するのかどうかわからなかった。でも僕はいる。世間もやっと、気づき始めた」ソーシャルワーカーはやっぱり聞いておらず、市による予算カットが行われ、面接もこれが最後になることを伝えます。 アーサーはそして、もしこれが精神病院に入院しているアーサーの妄想なら…11時11分の時計がそのヒントなら…アーサーはいよいよ、Pogo'sでコメディアンとしてのステージに臨みます。しかし、緊張したアーサーはステージ上でいつもの笑いの発作に襲われ、喋り出すことができません。必死で発作を抑えてネタを披露するのですが…そもそも そこから 「スマイル」は映画「モダン・タイムス」の劇中曲としてチャップリンが作った曲ですが、後に歌詞が加えられ、多くの歌手によって歌われました。映画で使われたのはパンフレット情報で和訳を掲載しましたが、あらためて… アーサーの座右の銘とも言うべき言葉が、 このシーンは、アーサーの妄想スイッチが入って、彼の世界が現実から妄想に切り替わる様子を捉えていると言えますね。 ステージの失敗もなかったように、アーサーは街角の売店で売られている新聞には、「殺人ピエロ逃走中？」の見出しが。記事は殺人者を「ビジランテ(私刑人)」と呼んでいます。ソフィーは殺人ピエロのことを「ヒーローよ」と言います。まさに、 犠牲になった3人は、ピエロに暴行を加えた…とは言え堅気のエリートサラリーマンなわけで、そんな彼らを殺した犯人を新聞が「ビジランテ」と持ち上げるのは違和感があります。このシーンのソフィーは妄想。だから、新聞記事も妄想である可能性が高いです。となると、地下鉄の殺人事件自体が現実だったかどうか、やっぱり怪しいですね。 「デート」から帰ったアーサーは上機嫌でペニーと踊ります。しかし、ペニーがトーマス・ウェインに出そうとしていた手紙を読んで、アーサーの気分は一変します。そこには、 ペニーは30年前、ウェイン邸で働いていた時に、トーマスと恋に落ちたのだと語ります。1981年10月20日火曜日。アーサーは通勤電車に乗って、通勤客たちの読む新聞は、どれも地下鉄での殺人が一面になっています。アーサーはトーマス・ウェインが市長選に出馬した記事を切り抜きます。 ウェイン邸の柵越しに、アーサーはこれは アーサーはブルースの口角を指で引き上げ、笑わせようとします。この時はまだ両親を失う悲劇の前ですが、指で口角を引き上げたり、口を描かないと笑えない…という点で、 執事のアルフレッドはアーサーがペニーの息子と知るとすべてを察して、「ペニー・フレックの名前は、ウェイン邸では極めて有名みたいですね。アーサーが家に帰ってくると、もう日が暮れています。ウェイン邸への往復は、結構時間がかかったみたいですね。 アパートには救急車がやって来て、ペニーが運ばれていくところ。病院で、二人の刑事は地下鉄殺人の件でアーサーに事情を聞くために訪れ、それにショックを受けたペニーは心臓発作を起こしてしまいました。 二人の刑事はアーサーに、アーサーは答えません。こんなに辛いのに演出だって…？という感じではありますが、実際のところ本当にどうなのかはわからないんですよね。アーサーは その会話の直後、アーサーは自動ドアに激突し、出口のドアの前で四苦八苦する…というコントをひとしきり演じます。これも、病室で、ソフィーと共に母親に付き添うアーサー。ソフィーがコーヒーを入れに行って席を外した後、テレビのマレー・フランクリン・ショーで、それは、盛大にスベっているアーサーを嘲笑うためなのですが。 このシーンはマレー・フランクリン・ショーみたいな全国ネットの人気番組で、Pogo’sのような場末の無名コメディクラブのライブをいきなり放送するなんて、かなりあり得ない。その上に、何人もいるコメディアンの中で、唯一放送されるのが番組に強い憧れを抱いているアーサーだというのも。 普通に疑いなく観ていても、ここであえてそういう疑いを起こさせておいて、でもその後は特に怪しい感じを出さずに進めていく。また、1981年10月21日水曜日。ウェイン・ホールでトーマス・ウェイン主宰の慈善イベントが開かれ、ホールの前にはピエロの面を被った人々が大勢集まって、手に手にプラカードを掲げています。自分の行動が人々に支持され、ムーブメントを巻き起こしていることに、アーサーは満足そうです。 警官と衝突したりしているデモの群衆を尻目に、アーサーはあっさりとホールの中に入っていきます。これもどうやって入手したのか、アーサーはポーター姿で誰にも怪しまれず中へ。劇場ではチャップリンのこれまた、上映されている映画は 「モダン・タイムス」はチャップリン監督／脚本／製作／主演の1936年のサイレント映画(音楽入り)です。チャップリンは音楽もやっていて、主題歌「スマイル」の作曲をしています。「モダン・タイムス」が「ジョーカー」に登場するのは「スマイル」からの繋がりとは思いますが、機械的な流れ作業に翻弄された トイレで、アーサーはついにトーマス・ウェインとの対面を果たします。トーマスが語るのは、「きみは養子だし彼女とは寝ていない」「うちで働いていた時、トーマスが父親でないばかりか、 アーサーはトーマスの子でもなければペニーの子でもない…「ずっと自分がいないような気がしてきた」アーサーにとって、自分が何者でもないと突きつけられることは大変なショックであるはずです。 アーサーは「僕が欲しいのは温もりとハグだ」と迫りますが、トーマスにはぶん殴られ、「息子に近づいたら殺す」とすごまれるだけに終わります。温もりとハグどころじゃない、完全な拒絶。 このトイレのシーンから、アーサーの自宅のシーンに切り替わるのですが、ここでアーサーがアーサーは冷蔵庫の中のものを取り出して、その中に入ってしまいます。その間に電話が鳴っていて、ギャリティ刑事が電話をかけて来ています。ということは、トーマスとの対話が妄想で、ギャリティ刑事は現実…？ってことは、銃撃事件は現実ってことになるのかな。 ただ、3人が通り魔的に殺された重大殺人事件の捜査にしては、実は、彼らがアーサーを調べている理由は、病院で拳銃を落とした一件だけなのかもしれません。アーサーは過去に暴力行為で精神病院に強制収容されています。であれば、もとより要注意人物になっているでしょう。 そこからまた画面が切り替わり、時刻は朝になっていて(1981年10月22日木曜日？)、アーサーはいつのまにか冷蔵庫を出てベッドで寝ています。また電話が鳴っていて、それは出番は次の木曜日。ショーは毎週木曜日に放送で、生放送なので、合ってますね。しかし、番組の出演者を一週間前に決めないですよね…。これ、「アーカム」は魔導書ネクロノミコンが所蔵されているミスカトニック大学が存在する、クトゥルー神話の舞台となる街です。そこから名前をもらった不吉なアーカム精神病院は、バットマン・シリーズにおいて捕縛されたヴィランが送られる場所です。バットマン・シリーズではヴィランは大抵気が狂っているからです。 アーサーはここで、30年前のペニーの記録を見ようとします。黒人の資料係にアーサーは、「ある人たちにひどいことをした」「悩むかと思ったがスッキリした」と話します。資料係はアーサーがペニーの息子と知ると記録を隠そうとしますが、アーサーはふんだくって逃げてしまいます。 ペニーの記録は、ベンジャミン・ストーナーという名前は ベンジャミン・ストーナー医師の記録によると…ペニー・フレックは息子の健康を危険に晒した罪で有罪になった。息子への身体的虐待、ネグレストが見られた。男が暴力を振るうのを黙認し、自身も暴力を振るった。 そして、ペニーが逮捕された時、アーサーはヒーターに縛られ、頭部にひどい外傷を負っていました。こんなショッキングな事実は、そうそうないですね。 アーサーはあたかもその場にいるかのように、若き日のペニーの尋問を眺めます。「あの子は泣かない」とペニーは言います。「いつも笑ってる。ハッピーな笑顔で」そのシーンが現実なのか、アーサーがただ想像したものなのか、わからない。それでも、アーサーにとってはそれは等価ですね。彼の主観の上では、事実だから。ソフィーとのデートや、他の様々なことと同様に。大雨の中、アーサーはアパートに帰ってきます。エレベーターでソフィーの「自殺ジェスチャー」を思い出したアーサーは、彼女の部屋へ向かいます。ソフィーの部屋の中の様々なものに、アーサーは触れてみます。まるで初めて見たように。前に、銃撃事件の後に訪れていたはずだけど…。ソファに座っているアーサーを見つけたソフィーは、怯えきったようすで出て行くように懇願します。「確かアーサーでしょ？」「お母さんを呼ぶ？」「娘が寝ているの。お願いだから出て行って」ここに来てようやく、アーサーは これまでは、アーサーは巧妙に現実のソフィーと会ってしまうことを(無意識に？)避けていたのでしょう。今回、ペニーについて知ったことが衝撃的すぎて、アーサーはいつもの注意深さを失ってしまった。本当にソフィーの部屋に行くという間違いを犯してしまった。逆に言えば、そのような決定的な矛盾に直面する事態にならない限り、アーサーの妄想は崩壊しない。
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